教員インタビュー!〜今話題のこと全て聞いてみた〜

こんにちは。みやうち塾ブログ担当です

今回は千葉県の公立中学校教員のT先生にインタビューして参りました。中学生の頃から気になっていた事や、今世間で話題となっている問題などについて聞いてきました!

教員を目指している方や、教育業界について興味をお持ちの方の参考になればと思います。今回インタビューさせていただいたT先生は、ご結婚されていて、お子様が二人いる方ですので、育児と仕事の両立の視点からもお話を伺うことができました!

かなり正直にお答えしていただいたと思います。

 

(あくまで個人的な意見でありますので、1つの視点としてご理解いただければと思います。)

 

 

部活動--働き方改革の影響は??--

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まずは、働き方改革を機に見直され話題にもなってきている部活動について聞いてみました。

 

Q.まず部活動における基本的な業務を聞かせてください。

T先生:放課後や土日の指導はもちろんのこと、練習試合組むなどの電話、部活動中のお茶汲みなども行なっています。

 

Q.そもそも、部活の担当ってどのように決まるのでしょうか?

T先生:部活動担当の教員が何人かいて、その人が割り当てます。年度末に来る、異動の先生の情報も使って割り当てています。教員の担当希望と学校の現状が合わない場合があるので、経験がなくてもその部活動に割り当てられることがあります。特に若い先生や体育科教諭がその傾向にあるように思います。

ただ、経験がなくても全国大会に連れていく先生もいます。指導者として覚醒し、それをやりがいとする先生もいます。

 

Q.働き方改革が進められている中で、部活動問題は何か改善されたことはありますか?

T先生:現状として今は、文部科学省都道府県で部活動のガイドラインが策定され、部活動の活動時間の縮小する動きがあります。しかし、教師の業務の忙しさの本質は部活動ではないと思っています。

 

Q.具体的にどのような所に問題点があるのでしょうか?

T先生:業務を自宅でやっている人が多いことです。

授業の間などの空き時間には生徒の日誌への返事、家庭学習帳の点検などがあります。中学校までですと特にこの作業に時間がかかります。

その結果、教材研究を自宅でやることになります。教材研究には1コマ(1時限)につき、個人差もあると思うが2時間くらいかかります。公立校の場合、生徒たちの学力の差も大きいのでその部分のケアも必要です。

家庭がある女性教員などにはより負担がかかると思います。

 

Q.働き方改革が始まって、その問題は変わりましたか?

T先生:近年になって勤務時間の管理のため、タイムカードが導入されました。しかし家で行う業務が多いため、あまり効果がないです・・・。タイムカードで、管理や調査をするよりも、実際に業務効率の改善をして欲しいです。例えば調査書の作業を減らすべきだと思います。調査書というのは高校受験の時に事前に中学校側が高校へ提出するもので、その生徒の委員会や受賞した賞や普段の生活態度のまとめなど記載します。一人一人作るので時間がかなりかかります。それにも関わらず、調査書に記述されていることすべてが合否に影響するわけではありません。評定以外の記述に関しては、労力を要する作業なので、高校側が必要としていることのみの記述でいいようになるとことを願っています。

 

(近年話題の部活動以外に問題はあるみたいですね・・。)



 

学級経営--「担任」という仕事--

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学校の教員最大の特徴であり、やりがいとも言っていい「学級経営」

ここについても気になっていた部分を聞いてみました。

 

Q.やりがいはやっぱり学級運営でしょうか?

T先生:それだけとは限りません。教員は三つの生きる道があります。

1、学級経営

2、担当教科(授業)

3、部活動

(順不同)

これのどれを武器とするのかが教員としてのカギとなると思います。

 

Q.学級運営において、現場での課題点はありますか?

T先生:一人当たりの受け持つ生徒の人数が多いというのは感じます。というのも、一学級は40人制(小・中学一年生は35人制)と法律で決まっているので、先生の負担を考えて極端にクラスの生徒の数を減らすことができないのです。

あと、学級通信の負担は意外と大きいです。週間スケジュールや、その週あったイベント等のまとめ、生徒の日誌からの引用、その他の報告もあり、まとめるのはかなり難しいです。週一で作るのが難しい先生は、月一での作成にしている人も多いです。家庭を持っている先生だとかなり負担のかかってくる部分だと思います。

 

(義務ではありませんが、当たり前のように学級通信って毎週ありましたよね。ブログを描き始めた今になってその大変さに気づきました・・・。生徒の皆さんは感謝しましょう!)

 

Q.学級崩壊はどんな先生が引き起こしやすい等はありますか?

T先生:一概には言えませんが、小学校は学級崩壊が起きやすいです。なぜなら、小学校は全ての教科を自分一人で教えるので、他の先生の目が入らず、全て一人の先生で面倒を見るからです。特に3、4年が崩れやすいとも言われています。それは、大事な時期とされる小学校1、2年生と5、6年生は経験が豊富な先生が担任に当てられやすく、初任や経験の浅い先生に3、4年生が割り当てられやすいからと聞いたことがあります。
こどもの発達段階や先生との相性も影響することもあるかもしれませんね。

 

(確かに私が小学3、4年生の時は担任の先生が若い人でした!このような背景があったわけですね・・・)


 

教育改革--プログラミング教育と英語教育--

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2020年の教育改革に向けて様々な動きがあります。この点についても質問してみました。

 

Q.教育改革について具体的に今どのような動きが現場ではありますか?

T先生:技術の授業でプログラミングを教えるようになりました。しかし機材がなかったり、少なかったりする学校も多く、地方だと特に環境は整っていないそうです。

あと、全国学力調査に来年度から英語が加わります。

これに関しては教えられる教員が少ないというのが問題になってきそうです。小学校で英語教育が始まりますが、小学校の教員で英語の教師の免許持っている人はほとんどいません。それはプログラミングにも言えると思います。

 

Q.他に懸念点はありますか?

T先生:調査に投資をしている傾向が強いと感じています。その反面、教育への投資が少ないです。

 

Q.どのような場面で感じますか?

T先生:英検IBAを私の中学校では受けさせることになっています。二年生の試験にはスピーキングを導入されていて、機材を生徒一人一人に配っています。この機材への費用や近年増えてきている学力調査よりも、まずは教育へ投資すべきなのではとしばしば思います。

 

 

 

教員採用試験--どうやったら先生になれるの?--

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読者の方で、教員を目指している方もいらっしゃるのではないでしょうか?(いませんか?)試験についても簡単にお話してもらいました。

 

Q.教員採用試験のフローを簡単に教えてください。

T先生教職教養(教育関連の法律等)、一般教養、担当教科の試験があり、面接、小論文もあります。その後二次試験で模擬授業とグループ討論を行います。

 

Q.採用フローにおける問題はありますか?

T先生:人手不足は教員の場にも影響が及んでいます。その結果、現在倍率が低くなってきています。

人が足りていない為、先ほどのような業務の効率化が必要となってくる上、教員の質の低下も懸念されています。

 

教員採用試験の最新動向【合格倍率】 | 教育新聞 電子版

↑実際に教員採用試験の倍率は下がっている様子。



 

最後に…

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Q.かなりざっくばらんにお話しして頂きましたが、最後に先生という仕事をやっていてよかった部分を教えてください!

T先生:生徒それぞれの人生を体験できるような感覚です。そして、大きく成長してまた自分の元に生徒たちが戻って来てくれます。そんな仕事は他には絶対にないと思ってます。辛い部分もありますが、やりがいは大きいです!

 

(ありがとうございます!かなり正直に教員という仕事についてお話しして頂きました。インタビューをしていて感じたことは、お答えいただいてる先生が本当に生き生きしていたということです。問題点ばかり注目されていますが、やりがいはとてつもなく大きいと感じました。次の機会には教員のやりがいにフォーカスしたインタビューを是非させて頂きたいです!!)

 

T先生、本当にありがとうございました!!

 

 

終わり

 

みやうち塾ブログ担当