『部活が問題点ではない』〜教員を目指す人が考える未来〜
前回のブログ
こちらで書き切ることのできなかった
「新卒で教員を目指す人、は何を思っているのか…」
これを今回完結させたいと思います!
Q.教員の部活動の顧問業務が最近話題ですが、Mさんは部活動には前向きですか?
非常に前向きです。それは夢だからです。もし野球部でないとしてもがんばりたいですね。好きなことに邁進する生徒は尊敬できますし、格好いいですから。ただ、部活動は強制であってはならいないという思いも非常にあります。無理してやるものでは絶対ないです。また、教員の長時間労働を改善するための重点を部活動におくのは疑問視しております。大学院で学校に実習へ行ったのですが、部活がない先生でも事務仕事に追われている様子を見てきました。部活動に目線がいきすぎて本質的な業務改善が進まないことを危惧しております。
Q.かなり私生活は削られる印象があります。その点について、何か考えはありますか?
まず、私の価値観の中にあまりライフワークバランスという言葉がありません。そもそも一度しかない人生において、無駄にできる時間があるのか。インスタを見てみると、つまらないけれど仕事をして、金曜日に酒を飲んで土日に趣味に費やすという人を見ますが正直理解できません。僕はその昼の八時間ですら無駄にしたくない。だったら起きている時間は自分の夢と生徒のために使いたい。そこで何が得られるか、そもそも何かを得るためにやっているのかもわかりませんが。ただ、この信念は譲れないものがあります。もちろん、親友と語り合う、体を休めるという休養は別ですよ!
Q.2020年の教育制度改正に向けて、日本の学校はどのように変わると思っていますか?何かご自身で取り組まれていることってあるんですか?
そこまで変わるのかなーというのが正直な印象です。思考・判断・表現を問うための入試改革ですが、その試験問題に対する策はどうなるか。中学受験では昔からこのような問題が問われていますが塾でやったのは結局思考・判断・表現力が問われる問題を多く解くという訓練でした。高等学校で考えると特に進学校において大きく変わるのか疑問があります。
また、私の大学院の教授が、新学習指導要領には社会をどう生きるかは書いてあるけれど、社会をどう作るかは書いてないという批判を述べていました。そもそも学習指導要領という存在が権力装置になりうる可能性もあります。もちろん最新の教育方法や理論については学習するようにしています。しかしそれらの理論を目の前の生徒に必要な形で使えるよう意識しています。
Q.教育業界は人材不足が騒がれています。原因は何だと思いますか?
業務の多さだと思います。生徒に向き合いたくて教員になったのに結局他の業務に時間がとられて心身が削られる。これにつきるのではないでしょうか。
Q.正直、他にも教育業界には課題があると思いますが、今の教育業界の現状を変えたいと思っていますか?今思う日本教育制度の課題点を教えてください。
教員養成に課題があると思います。大学で単位を取って2,3週間実習に行って免許が取れる。これでは足りないと思います。教育先進国であるフィンランドでは修士が絶対であり、かつ名誉ある職業として人気があり選抜されます。大学入試や指導要領を変えたって、現場の教員たちがおいつかない。だから多忙の中に研修が入る。これはまずいサイクルです。教育制度を変える前に業務改善・教員養成から進めるべきではないかと考えています。
Q.逆に、今の日本の教育制度が世界に誇れる部分ってありますか?
部活ですかね笑。春高バレー・甲子園・花園、高校生が本当に好きなことを頑張れる場があり、その姿が称賛される。色々問題は山積ですが世界に誇ってもいいと思います。
Q.Mさんは憧れの先生はいますか?いればどのような人か教えてください!
憧れの監督はたくさんいますけど、先生といったら高校野球部の2軍を見てくれていた副部長です。選手に交じって整備をしていた姿は一生忘れないと思います。誰よりも努力家の同期がいたのですが、そいつに「こんな練習試合お前のためならいくらでも潰していいんだ」と臭いセリフを吐くような人です。人間としてとても熱くまた、生徒思いの先生でした。
Q.これからどんなキャリアを描いていますか?
退職するまで現場にいたいという思いがあります。だから管理職は目指さないだろうなという気もします。ですが、実際はまだなってみないとわからないです。とりあえず明日死んでも後悔しないように、毎日を一生懸命いきることから始めたいと思います。
ブログ担当から
本当に熱い人です…。これから目指しているような最高の先生になれるように頑張ってほしい!と、心から思えました!
正直、彼のような素晴らしい志を持っている教員は珍しいと思います。ただ、彼のような人がいる限り教育業界の未来は明るいのではないでしょうか?いつか教育業界は皆が憧れる、かつ働きやすい仕事になるはずです。
M先生、四月から頑張ってください!!
次回は番外編で、Mさんが教員採用試験の時に使っていた参考書を公開します!お楽しみに!!